オバマ大統領、「少数の米軍事顧問をイラクに派遣」
ワシントン(CNN) オバマ米大統領は19日、イスラム教スンニ派の武装集団に対抗するイラク政府を支援するため、最大300人の軍事顧問をイラクに派遣すると発表した。米国の軍事介入を求める声と、介入しないよう求める声の中間を取った形だ。
ホワイトハウスで記者会見したオバマ大統領は、地域の不安定化につながりかねないイラクの内戦を防ぎ、イラク北部や隣国シリアがテロリストにとっての安全地帯となるのを防ぐことを目標として挙げ、「イラクには既に大使館を通じて顧問を派遣しており、イラク治安部隊の訓練や助言、支援の方法を探るため、少数の軍事顧問を追加派遣する用意がある」と表明した。
米軍は2011年にイラクから撤収し、8年に及んだイラクでの戦争は終結した。しかし軍事的緊張の高まりを受けて、この戦争が再燃するのではないかとの懸念も高まっていた。
これに対してオバマ大統領は、「米軍が戦闘のためにイラクに戻ることはない。だが、イラク国民や地域および米国の利益を脅かすテロリストに対抗するイラクを支援する」と強調した。
同時に、「今後はもし必要な状況になったと判断すれば、標的を絞った軍事行動に備える」と述べ、イラクで勢力を強めている武装集団「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」に対する空爆の可能性にも含みを残した。