武装組織、イスラム国家樹立を宣言 イラクとシリアにかけて
(CNN) イラク西部と北部を制圧しているイスラム教スンニ派武装組織は29日、同地にイスラム国家を樹立すると宣言した。組織名はこれまでの「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」から、「イスラム国」に改称するとした。
同組織が出した声明では、カリフはアブ・バクル・アルバグダディ指導者を首長とし、シリアのアレッポからイラクのディヤラにまたがる地域を支配するとした。
一方、イラク政府は故フセイン元大統領の出身地だったバグダッド北西部ティクリートの奪還に向けた作戦を展開していると発表。一部当局者は週末にかけて国営テレビで、陸軍がISISに勝利したと宣言した。
しかし29日にCNNの電話取材に応じたティクリートの住民は、「イラク軍はここにはいない」と語った。少なくとも自分の周辺にいるのはイスラム国のメンバーのみで、双方の砲撃音が聞こえると話している。
当局者によると、油田地帯キルクークの近郊や、首都バグダッドから約85キロ北部のジャラウラでも戦闘が起きているほか、バグダッド南部にある軍の基地も29日にISISに襲撃された。
イラク軍の報道官はテレビを通じ、全土で進行している作戦で、ISISの戦闘員142人が死亡したと発表した。ティクリートでも奪還に向けた作戦が進行中だとしている。