ロシア軍がウクライナ国境に集結、介入の構えか
ドネツク(CNN) ウクライナ政府軍と親ロシア派の衝突が続く同国東部の情勢に関連して、北大西洋条約機構(NATO)の当局者は5日、ロシア軍がウクライナ国境沿いに約2万人の兵力を集結させているとして懸念を示した。
同当局者によると、先週の時点で展開していた計1万2000人に加え、8000人を新たに配置したとみられる。この中には防空、特別部隊なども含まれ、「数時間のうちに侵入して戦況を大きく変える能力を持っている」という。
一方、ウクライナの国家安全保障・国防会議は同日、ロシアが国境沿いに集結させている兵力は4万5000人に上るとの見方を示した。前日からの24時間で計26回の衝突があり、このうち6回はロシア領内からの攻撃だったとしている。
ロシアが今年3月のクリミア併合に続き、ウクライナ東部にも介入を図るのではないかとの懸念が強まっている。
ロシア国防省はさらに、ロシア南部アストラハン州で空軍部隊やミサイル防衛部隊による1週間の軍事演習を開始した。同様の演習はクリミア併合の前にも実施されていた。
米国と欧州連合(EU)は先週、ロシアが親ロシア派武装勢力への支援を続けているとして追加制裁を発表したが、ロシアは関与を否定している。
ロシア外務省は4日、ウクライナ軍が東部ドネツク周辺にミサイルやロケット弾を撃ち込んでいると非難し、政治的解決に向けた交渉に応じるよう求めた。同国が治安回復を掲げて軍事介入に踏み切る可能性も指摘されている。