イラク少数派救出のヘリ墜落、操縦士が死亡
イラク北部(CNN) イラク北部で12日、武装勢力に包囲されたクルド人少数宗派ヤジディ教徒を救出していたイラク軍のヘリコプター1機が墜落した。当局によると、ヘリの操縦士が死亡し、負傷者は病院へ運ばれた。
ヘリには米紙ニューヨーク・タイムズの記者とカメラマンが同乗していた。同紙によると、機内には当時、20~25人のヤジディ教徒がいた。
同紙の記者は脳しんとうを起こし、手首などを骨折したが意識はあるという。カメラマンも軽傷を負った。
イラク軍は、機体の故障による墜落との見方を示した。北部クルド人自治区の幹部はCNNに、操縦士のミスが原因ではないかと語った。
ヤジディ教徒はイスラム教スンニ派の過激派組織「イスラム国」の攻撃を受けてシンジャル山へ逃げ込み、包囲されたまま動きが取れなくなった。イラク軍とクルド人民兵がヘリを使って、物資の投下と救出作戦を実施している。
12日には数百人が徒歩で山を下り、いったんシリアに出てから国境沿いを歩いて避難した。このうち一部は国連系団体のバスで近くの町へ向かったが、大半の家族は行くあてもないまま、野宿などを強いられている。
米当局者が同日、匿名でCNNに語ったところによると、米軍はヤジディ教徒への人道支援のため、イラク北部に100人以上の顧問団を派遣することを決めた。具体的な時期は明らかになっていない。