ゴラン高原でPKO要員43人拉致、シリア反体制派が関与か
(CNN) 国連は28日、イスラエルとシリアの停戦を監視する国連兵力引き離し監視軍(UNDOF)の要員43人が両国の境界に近いゴラン高原で武装勢力に拉致されたと発表した。
現場はクネイトラ検問所の近く。同検問所は27日、シリアの反体制派武装勢力によって占拠されていた。
イスラエル軍関係者によれば、拉致に関与したのは国際テロ組織アルカイダ系武装勢力の「ヌスラ戦線」。ヌスラ戦線はシリアの反体制派の1つで、27日の検問所占拠作戦にも加わった。
国連は「拘束された国連平和維持活動(PKO)要員を解放させ、(UNDOFが)活動地域全体で完全に自由に動ける状況を取り戻すためにあらゆる努力をしている」とプレスリリースで明らかにした。
国連によれば拘束された43人は全員フィジー軍の兵士。また、フィリピン軍所属の81人のPKO要員が近くの村からの移動を制限されているという。
ヌスラ戦線は、シリア北部や東部の広い範囲を勢力下に収める「イスラム国(IS)」と同じイスラム教スンニ派の過激派組織。両勢力はアサド政権と戦う一方で互いを敵として戦ってもきた。