ISIS、トルコ外交官ら49人解放 領事館襲撃で拉致
(CNN) トルコのエルドアン大統領は21日までに、イスラム過激派「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」が今年6月、イラク北部モスル市のトルコ領事館を襲い、館員ら49人を拉致した事件で、ISISが全員を解放したと発表した。
拉致されていたのは総領事やその家族、館内に居合わせたトルコ人計46人と現地採用の職員3人。20日に解放され、トルコ人は全員が帰国したという。
解放の経緯は不明だが、エルドアン大統領は公式サイトでの声明でトルコの情報機関当局者の尽力に感謝した。トルコのダウトオール首相によると、解放の作戦は深夜に行われたという。
ISISは6月10日に人口約160万人のモスルを攻略。警察署を制圧し、刑務所から受刑者1000人以上を逃がし、国際空港も占拠するなどした。同市の防衛に当たっていた米軍訓練のイラク軍兵士はISIS侵攻を目にし、制服を脱ぎ捨て、兵器や装甲車両も放棄して逃げたとされる。
ISIS掃討では米国が有志連合の構築を図り、空爆などに踏み切っている。トルコが連合への参加に消極姿勢を見せたのは総領事らの人質問題を抱えていたのが原因との指摘もある。