香港デモ、警察とのにらみ合い続く 負傷者56人、逮捕者89人
警察は30日までに、政府施設への不法侵入、公共の場で秩序を乱した行為、警官に対する暴行や職務執行妨害などの容疑で89人を逮捕したと発表した。
香港の行政長官選挙で中国政府が公認の候補者しか立候補を認めない方針を示したことが発端となり、学生らが先週から授業のボイコット運動を展開。もともと今週の抗議行動を計画していた市民団体がこれに加わり、デモ隊が膨れ上がった。
香港で大規模なデモが実施されることは珍しくないが、警官が出動して大規模な鎮圧を図ったことで衝撃が広がり、さらに数千人がデモ隊に加わったとみられる。デモは香港の中心街や、香港島からビクトリア湾を渡った九龍半島側にも飛び火した。
For 2nd night in a row, pro-democracy demonstrators occupied the highway in downtown Hong Kong, sleeping on pavement pic.twitter.com/eWS1pDN62Y
— Ivan Watson (@IvanCNN) 2014, 9月 30
ソーシャルメディアでは、デモ参加者らが催涙ガスを避けようと広げた傘からの連想で、この運動を「雨傘革命」と呼ぶ動きが出てきた。一部の専門家からは「第2の天安門事件」を懸念する声も上がっている。
中国当局は香港情勢を巡る情報の流れを制限しているとみられ、国営メディアはこのニュースをほとんど伝えていない。インターネットの写真共有サービス、インスタグラムは、デモの写真が流れてからアクセスが阻止されている模様だ。