地面に埋められた28人の遺体、行方不明の学生か メキシコ
(CNN) メキシコ南部ゲレロ州の司法長官は5日、州内の未舗装道路沿いの地面に少なくとも28人の遺体が埋められているのが見つかったと発表した。当局は、9月26日に起きたバス銃撃事件で学生43人が行方不明になった事件との関係を調べている。
9月26日の事件では同州イグアラで学生やサッカー選手の乗ったバスが銃撃され、学生3人と15歳のサッカー選手1人を含む6人が死亡。学生43人が行方不明になっていた。
4日に見つかった遺体はガソリンをかけて焼かれた後に埋められたとみられ、身元の特定には2週間~2カ月かかる見通し。事件後に拘束した容疑者の供述から、埋葬現場の発見に至ったという。
司法長官は4日、犯罪組織と警察がバス銃撃にかかわっていた証拠をつかんだと発表。州当局は、この事件に関連して5日までに地元警察官22人を含む30人あまりを拘束したことを明らかにした。
警察は銃撃事件への関与を否定しているが、警察が犯行を計画し、銃撃に加わっていたという目撃証言もある。
学生たちが通っていた学校の関係者は抗議活動を展開し、フェイスブックで「学生でいることは犯罪者よりも危険になった」と訴えた。
行方不明になっている学生はほとんどが20代の男性で、教員養成課程に在籍していた。州当局は100万ペソ(約800万円)の賞金をかけて情報の提供を募っていた。
メキシコ国家統計局の調査によれば、同国では2012年の1年間で10万5000件を超す拉致事件が発生した。しかし当局に届け出があったのはこのうち1300件のみだった。