ローマ法王庁、同性愛への肯定的見解を修正 保守派から反発
ローマ(CNN) ローマ法王庁(バチカン)は14日、前日の報告書で同性愛に肯定的な見解を示したことについて、「まだ作業文書の段階だった」と方向修正した。報告書の文言には、カトリック内部の保守派が強い反発を示していた。
問題の文書は、カトリック聖職者約200人が家族のあり方を話し合っている会議の中間報告。この中に、同性愛者のキリスト教社会への貢献や同性愛カップルの助け合いを認めるとの文言が盛り込まれ、カトリック教会が初めて同性愛に肯定的な見解を示したとして注目された。
これに対して南アフリカ出身の枢機卿は、「取り返しのつかない発言。会議全体、カトリック教会全体の立場であるかのように伝わってしまったが事実は全く違う」と反発を示した。米国人の枢機卿も、報告書には確かな根拠がないと主張。保守派からはほかにも「裏切りだ」と非難する声などが上がった。
これを受けてバチカンは、同性愛に関する記述は最終的な見解ではないと強調。教会に同性愛者を受け入れたいとの意向と同時に、「同性愛や同棲(どうせい)に肯定的なイメージを与えるつもりはない」と言明した。
一方で同性愛者とカトリックとの和解を掲げる団体は、「たとえ作業文書であっても、バチカンが同性愛に肯定的な立場を示した事実に変わりはない」と強調している。
会議は今週末まで開かれる予定。ここでまとめた提言は来年10月、さらに大きな会議に提示される。