ISIS、イラク北部で十数カ所を同時攻撃
別の治安当局者は匿名を条件に、ダム周辺には多数のペシュメルガ部隊が展開しているため、ISISにダムを掌握される可能性は低いと語った。
匿名の治安当局高官もまた、ペシュメルガが20日、各地でISIS戦闘員を殺害し、十数カ所に及んだ攻撃をほぼはね返したと報告した。
一方、シリア北部のクルド人地域では、ISISに包囲されたトルコ国境の街、アインアルアラブ(クルド名コバニ)に19日夜、米軍輸送機が武器や弾薬、医薬品を投下した。
アインアルアラブではクルド人部隊が街の7割を死守しているが、連日ISISからの砲撃を受け、外部から孤立した状態が続く。すでに数万人の住民がトルコ側へ避難した。
トルコのチャブシオール外相は20日、ペシュメルガの援軍がトルコ領を通ってアインアルアラブへ向かうことを認めると発表した。
ただ、トルコは国内のクルド人武装勢力とシリアのクルド人部隊とのつながりに強い警戒感を示してきた。チャブシオール外相は同日、シリアのクルド人民兵を統率する政治組織、民主統一党(PYD)について「シリアの領土を支配しようとしている点でISISと同様の脅威だ」と述べた。エルドアン大統領もアインアルアラブの民兵を「テロリスト」と呼び、米軍が武器を供与するのは「不適切」との見方を示していた。