ナチス標語入りの門扉、強制収容所跡から盗難
(CNN) ドイツのダッハウにあるナチスの強制収容所跡から、「アルバイト・マハト・フライ(働けば自由になる)」というスローガンが入った鉄製の門扉が盗まれる事件があった。
同収容所の記念館によると、門扉は1日深夜から2日未明にかけて盗まれた。センター長のガブリエレ・ハメルマン氏は、「この地で犯された犯罪の記憶を否定し消し去ることを狙った計画的かつ悪質な犯行」と断言する。
強制収容所の生存者は高齢化が進む一方で、極右勢力は台頭していると同氏は指摘、こうした史跡を守り、人々を啓発する取り組みは続けなければならないと強調した。
警察などは捜査を進めているが、現時点で容疑者は特定されていない。
ダッハウ強制収容所は政治犯を収容する目的で1933年に設置され、門扉は収容所内の工場で製造された。門扉は戦後に撤去され、1965年に記念館ができた時に再建されたという。
ポーランドにあるアウシュビッツ強制収容所跡地でも2009年、「アルバイト・マハト・フライ」の表示板が盗まれる事件が起きている。この表示板は間もなく3つに切断された状態で見つかった。