韓国セウォル号船長に懲役36年 殺人罪は認めず
(CNN) 韓国で今年4月に起きた旅客船セウォル号の沈没事故で、同国の裁判所は11日、船長のイ・ジュンソク被告に懲役36年の刑を言い渡した。
イ被告は乗員3人とともに、救命ボートや救命胴衣などの装備を利用せず、乗客に避難を呼び掛けなかったとして殺人罪に問われた。検察はイ被告に死刑を求刑していた。韓国では1997年以降、死刑は執行されていない。
5カ月に及んだ裁判で、弁護側はイ被告に殺意はなかったと主張。被告は法廷で乗客救助に必要な措置を取らなかったことを認め、反省と謝罪の言葉を述べていた。判決では殺人罪は適用されなかった。
この事故ではさらにセウォル号の運航会社、清海鎮海運のキム・ハンシク代表が業務上過失致死罪に問われている。韓国の聯合ニュースによると、検察はキム被告に懲役15年を求刑した。
事故の死者・行方不明者は300人を超えた。政府は11日、依然として行方不明となっている9人の捜索を打ち切ると発表した。
イ・ジュヨン海洋水産相は、不明者発見の望みが薄くなっているうえ、船体が崩壊する可能性や水温の低下で潜水作業の危険性が増し、犠牲者が出る恐れもあるためと説明した。船体は封印し、今後遺族や専門家の意見を聴いて引き揚げるかどうかを判断するとしている。