報道関係者ら二十数人を逮捕、言論弾圧の批判も トルコ
イスタンブール(CNN) トルコ警察は14日、「武装テロ組織」を設立、主導したり同組織のメンバーとして参加した疑いがあるとして、報道関係者ら二十数人を逮捕した。
逮捕されたのは、イスラム教指導者ギュレン師が率いる宗教運動にかかわるジャーナリスト、報道機関幹部、政治ドラマの脚本家やスタッフら計二十数人。この中にはトルコの主要紙ザマンの編集長と、ギュレン運動系テレビ局のトップも含まれている。
逮捕作戦を予告する匿名のツイートを受けて、現場にはジャーナリストやギュレン師の支持者ら数十人が集まり、「報道の自由を抑え込むことはできない」などと抗議の言葉を叫んだ。
ギュレン運動は最近までエルドアン政権の熱心な支持勢力として知られていた。しかし政府は約1年前から、ギュレン師の支持者に対する取り締まりに乗り出した。同師自身は国外へ脱出し、米ペンシルベニア州に滞在中。政府系メディアでは、「ペンシルベニア」がエルドアン政権転覆の企みを指す言葉として使われている。
同師支持者らは、政府の目的は政権上部にまん延する汚職への批判をかわすことだと主張する。国際人権団体「フリーダムハウス」のダニエル・カリンガート氏は「今回の逮捕は汚職を報道し、政府を批判するジャーナリストたちへの報復。トルコは言論弾圧をやめるべきだ」と非難した。