北朝鮮の脱出兵、中国で4人殺害 中国外務省が抗議
(CNN) 中国北部の吉林省和竜市で北朝鮮を脱出してきた兵士が中国人4人を殺害したと報じられたことを受け、中国外務省が北朝鮮に抗議した。
現地からの報道によると、中国と北朝鮮の国境を隔てる川の近くにある和竜市で昨年12月下旬、北朝鮮から越境してきた兵士が強盗未遂事件を起こし、市民4人を殺害した。
これを受けて中国外務省報道官は北朝鮮に抗議したと述べ、事件があったことを確認したが、それ以上の詳細は明らかにしていない。
中国外務省の華春瑩報道官は5日の記者会見で、「中国公安当局が現在、法に従ってこの件を処理している」と語った。
韓国の聯合通信は、中国当局が殺人容疑で男を拘束したと伝えている。
北朝鮮を脱出した兵士や市民が食料を求めて中国で民家などに押し入る事件は過去にも発生していた。2013年には北朝鮮と国境を接する遼寧省の丹東で、北朝鮮からの脱出兵とみられる男が飲食店に押し入り、経営者を銃で脅して食品を奪ったと伝えられている。
中国国営紙によれば、ほとんどの場合、脱北者の狙いは食料のみで住民を殺害する意図はなく、今回のような凶悪犯罪の発生はまれだという。
北朝鮮からの脱出を試みる兵士や市民は後を絶たない。しかし中国政府からは「不法経済移民」とみなされ、北朝鮮に送り返されている。