市長の地下鉄乗車が話題に、「市民に近い」と称賛も 台北
(CNN) 台湾の台北市長に就任したばかりの柯文哲氏が地下鉄に乗る姿を目撃され、中国国内で論議を巻き起こしている。
柯市長は1月2日夜、市内を走るMRT地下鉄の車内でドア付近に1人で立っているところを乗客が見つけ、写真を撮ってフェイスブックに掲載した。
市民の間でこの写真が話題になり、「市民に近い市長」「市長はBMW(Bicycle、MRT、Walking)で通勤」などと称賛するコメントが相次いでいる。一方で、市長の身の安全を心配する声もあった。
市長の妻はフェイスブックの投稿で、この時は夫婦で地下鉄に乗って自分は座り、夫は立っていたと説明した。
中国では政治家や政府高官が高級車を連ね、厳重な警備に守られて移動するのが当たり前になっている。
写真は中国国営メディアにも掲載されてインターネットで広まり、交流サイト「新浪微博(ウェイボー)」には賛否両論の声が寄せられた。
医師だった柯市長は無所属で市長選に出馬して、台湾の元副総統の息子で有力政党が推す富裕層出身の対立候補を抑えて当選した。腐敗を撲滅し透明性を高めると公約し、フェイスブックの12月の投稿では「市長はセレブであることよりも、行政のためにもっと時間を費やすべきだ」と指摘している。