ウクライナ首都で平和求めるデモ、東部の戦闘で今も犠牲者
(CNN) 東部で政府軍と親ロシア派の戦闘が続くウクライナの首都キエフで18日、大統領や首相も参加して、平和を願うデモ行進が行われた。
同国東部のボルノバハ市付近では13日にバスが砲弾に直撃され、乗客13人が死亡する事件が起きた。
デモ参加者はこの事件の犠牲者をしのび、「私はボルノバハ」という横断幕を掲げてデモ行進した。ポロシェンコ大統領は「ウクライナの独立と主権、領土の保全のため(命を)捧げた英雄のことを決して忘れない。我が国の国土は1メートルたりともをあきらめない」と力を込めた。
東部のドネツク、ルガンスク両州ではロシアがクリミア半島を併合した後、昨年4月から戦闘が続いている。
ウクライナ軍の広報が18日に明らかにしたところでは、ドネツク空港は陸軍が完全に奪還した。過去42時間でウクライナ兵4人が死亡、32人が負傷している。
ドネツクの警察によれば、民家をミサイルが直撃して7歳と16歳の子どもが死亡、幼い少女1人が重傷を負った。
昨年9月にはウクライナとロシア、親ロシア派武装勢力がベラルーシで会談して停戦合意が成立した。しかしその後も互いに非難の応酬を繰り返すばかりで事態が進展する兆しはほとんどない。
国連は18日、全関係者に自制を求める声明を発表。「これ以上状況が悪化して多くの人命が失われたり、民間人が犠牲になったりする事態はあらゆる代償を払ってでも阻止しなければならない」と訴えた。