胴体引き揚げ再び失敗、ロープ切断など エアアジア機墜落
ジャカルタ(CNN) インドネシア沖のジャワ海で昨年12月28日に発生した格安航空大手エアアジアのQZ8501便の墜落事故で、同国の捜索救助庁などは25日、海底の胴体部分の引き揚げ作業を実施したもののロープが切断し、失敗したと報告した。
胴体の残骸が海面付近に現れた後、ロープが切れ、再び沈んだという。引き揚げ作業は24日も行われたが、天候不良で一時中断されていた。
同庁のスプリヤディ長官によると、24日には重さ約10トンの大型気球をロープやベルトを使って胴体の残骸につなげ、気球を膨らませて浮上させる作業が行われた。しかし、海面上への引き揚げを試みた際、ベルトが切れるなどして失敗したという。
今月初旬には同様の方法で機体後部部分の回収に成功していた。
胴体部分は10日前に海底で発見されていた。多数の遺体が機内に閉じ込められているとみられる。機内の調査作業は高波と強い潮流で難航していた。
同長官によると、25日までに遺体4体が新たに見つかり、これで収容された遺体は計69体となった。インドネシアのジャワ島東部スラバヤを出発し、シンガポールへ向かっていた8501便には乗客乗員計162人が搭乗していた。
墜落原因はまだ解明されていないが、航空専門家らは悪天候の中の飛行に関係があるとの見方を示している。
墜落原因の究明の手掛かりとなる飛行記録装置や操縦室の音声記録装置は回収され、データの解析が進んでいる。インドネシアの国家運輸安全委員会の調査官によると、中間報告書の作成に必要なデータの読み取りは9割程度終わったという。