中国軍の将来の戦争勝利に「深刻な弱点」 米議会諮問機関
同軍では最近、高官絡みの汚職摘発が表面化した。昇進や肩書も買収で可能との見方も広まっている。下級兵士の間では、将校が軍配給の住宅を売りさばき、速度制限、高速道路料金の支払いや駐車規制から逃げるため軍の車両プレートを悪用しているとの情報が流れていると指摘。薄給や実戦を考慮に入れた演習の不在、新兵勧誘での稚拙な手段などの問題も存在している。新兵の多くは限られた学歴しかなく、大半が農村部で補充されているともした。
中国政府が導入している「一人っ子政策」は態度が尊大な子どもの出現につながり、軍事規律の順守に耐えられない新兵が生まれる結果になったとも分析した。
同報告書は中国軍は直面するこれらの弱点を自覚しているとも説明。軍事文献の分析や中国の消息筋の情報で、人民解放軍と先進国の軍、特に米軍との間には能力面などで依然大きな差があることの認識はみられるともした。
その上で、米国の国防政策当局者らは中国の軍事的な変革が不十分な状況にあることを理解する必要があると強調。この情勢認識を持てば、米国や同盟国は中国と隣国がもめた場合、中国に武力手段の発動や実力行使の威嚇を止めさせる効果的な道を見い出し得るとも結論付けた。
CNNは中国国防省に対し、米中経済安全保障調査委員会の報告書へのコメントを求めたが反応はない。