国連安保理、イエメン武装組織に撤収求める決議を採択
(CNN) 国連安全保障理事会は15日、中東イエメンで政権掌握を宣言したイスラム教シーア派の武装組織「フーシ派」に対し、兵力の撤収や和解に向けた交渉を求める決議を採択した。
決議は同日開催された緊急会合で、賛成15、反対0の全会一致で採択された。
フーシ派が一方的に議会を解散させ、政府機関を占拠したことを「遺憾」とし、暴力行為がイエメンの民主化や安定を脅かすとの懸念を示した内容。各勢力に敵対行為の停止を呼び掛け、フーシ派に政府機関から兵力を引き揚げるよう求めている。
スンニ派が国民の多数を占めるイエメンで長年にわたり不満を募らせてきたフーシ派は先月、大統領官邸を包囲し、ハディ暫定大統領や閣僚らを辞任に追い込んだ。
これに対して、独立運動が活発化する同国南部や産油地帯の中部マリブ州では抵抗の動きが起きるなど、政情不安が強まっている。
米国や英国、フランスは先週、首都サヌアの大使館の業務を停止。国連の潘基文(パンギムン)事務総長は12日、イエメンが「われわれの目の前で崩壊しつつある」と危機感を示していた。
安保理決議は、フーシ派が暫定大統領らを軟禁したとされることにも懸念を表明した。