リー・クアンユー氏死去、91歳 シンガポール建国の父
2002年にはCNNとのインタビューで、政界に入るきっかけとなったのはシンガポールが日本軍に占領された時代の経験だと語り、「私はそこで権力の意味を悟った」と述べた。
08年のインタビューでは、自身がたどった道を「第三世界の条件下で、第一世界のオアシスを誕生させることを目指した」と振り返った。同氏が主導したシンガポール式の国家資本主義は、中国の経済改革のモデルとされた。
リー氏は一方で、言論統制や批判勢力への強硬姿勢が批判を呼ぶことも多かった。国際NGO「国境なき記者団」が発表した14年の「報道の自由度ランキング」で、シンガポールはコンゴ共和国やメキシコ、イラクに近い150位と判定されている。
オバマ米大統領は98年、米ホワイトハウスで会談したリー氏を「20~21世紀のアジアの伝説的な偉人の一人」「アジア経済に奇跡をもたらした人物」とたたえた。
リー氏はまた、米誌タイムが10年に発表した「世界で最も影響力のある100人」の1人にも選ばれていた。