サウジ主導のイエメン空爆続く ハディ大統領はエジプト入り
サヌア(CNN) サウジアラビアが主導する中東諸国の軍は27日、前日に続きイエメンのシーア派武装勢力「フーシ派」を標的とした空爆を行った。
フーシ派が掌握する首都サヌアでは同日夜、大きな爆発音が聞こえた。空爆による負傷者の数や被害の程度は分かっていない。サヌアの他にも国内15カ所で空爆が行われており、フーシ派の拠点である北西部のサーダでは少なくとも10人の死者を出した。
空爆の標的となっているフーシ派は先ごろ、イエメンの首都サヌアを制圧。25日には同国のハディ大統領が逃れていた南部の港湾都市アデンの主要地帯を支配下に収めた。
フーシ派の進攻を受けアデンを脱出したハディ大統領は27日、アラブ連盟の首脳会議に参加するためエジプトに到着した。アラブ連盟の加盟国の多くは今回の空爆に参加しており、ハディ大統領の復権をもくろんでいるとみられる。
イエメンは実質的に内戦状態に陥っており、ハディ政権を支援するサウジアラビアと、フーシ派と連携するイランの代理戦争の様相も呈している。空爆を主導するサウジアラビアとしては、シーア派の大国イランを警戒しており、イエメンがシーア派に支配される事態は避けたい意向だ。
サウジアラビアは、ハディ大統領が書簡で軍事介入を要請してきたと主張している。書簡の内容は同国外務省によって公開された。
サウジアラビアの関係筋によれば、他に軍事作戦に参加しているのは、アラブ首長国連邦(UAE)、クウェート、バーレーン、カタール、ヨルダン、モロッコ、スーダン、エジプト。米軍は情報活動や後方支援といった分野で作戦に参加しているとされる。