イエメンの死者、1週間で600人 人道支援求める声
赤十字国際委員会(ICRC)は、イエメン国内に医療物資や人員を届けるための一時停戦を呼び掛けている。ICRCによる中東地域での活動を統括する責任者によれば、負傷者を助けるには数時間以内に治療できるかどうかがカギとなる。「今救える命を救わなければ」と、現地の報道担当者は訴える。
サウジはICRCが医療物資と人員の輸送機2機を送り込むことを承認した。しかし現地は大半の民間機が運航を停止し、多くの飛行場が空爆で破壊されている状況。6日の時点で、48トンの医療物資を載せた輸送機がアフリカ北東部のジブチで待機している。ICRCは、一両日中にイエメンへの飛行を実現したいとの意向を示す。
国連安全保障理事会では4日、ロシアが連合軍による空爆の一時停止を求める決議案を出した。しかし匿名の外交筋がCNNに語ったところによれば、決議案にはフーシ派側の戦闘停止や双方による和平交渉を求める内容が盛り込まれていなかった。安保理の会合は結論の出ないまま終了した。
イエメンではこの混乱に乗じて、国際テロ組織「アラビア半島のアルカイダ(AQAP)」が勢力を拡大し、事態をさらに複雑化させている。AQAPは先週、東部の刑務所を襲撃して多数の受刑者を脱出させた。