同性愛差別の法律は「危険」 アップルのクックCEOが寄稿
香港(CNNMoney) 米インディアナ州などで同性愛者差別につながると指摘される法律が制定されていることに対し、自身の同性愛を公表している米アップルのティム・クック最高経営責任者(CEO)が米紙ワシントンポストに寄せた論説で、こうした法律は米建国の理念に反しており「非常に危険」と批判した。
クック氏は論説の中でインディアナ州などの法律について、信教の自由の名の下に不正を正当化しようとするものであり、差別的だと批判。「アップルを代表して、私はこの新たな法制化の波に反対する」と述べ、こうした法律によって雇用や成長、経済活力が阻害されると危機感を示した。
インディアナ州の法律はペンス知事の署名で先週成立した。宗教上の理由で同性愛に反対する経営者などが、同性愛者やトランスジェンダー(心と体の性が一致しない人)を採用しない権利を認める内容。アーカンソー州でも同様の法案が27日に議会を通過し、知事が署名すれば成立する。
クック氏はツイッターへの投稿でもこうした法案に対する批判を展開し、アップルは「誰にでも開かれた」企業であり、すべての顧客を平等に扱うと強調していた。
インディアナ州に拠点を置くセールスフォース・ドットコムやイーライリリーといった企業や団体も、従業員や顧客を集めるのが難しくなるとして反対を表明。アンジーズリスト社は同法の制定を受け、予定していたインディアナポリス本社の拡張計画を保留にすると発表した。