韓国首相が辞意表明、不正資金疑惑で捜査
ソウル(CNN) 韓国の李完九(イワング)首相が20日、辞意を表明した。李首相は大統領側近が絡む不正資金疑惑に関与した疑いで捜査対象になっていた。
首相府によると、李氏は朴槿恵(パククネ)大統領が辞表を受理するまでは首相にとどまる。閣議の議長職は副首相に移譲する。ペルー訪問中の朴大統領は、李首相の辞意に遺憾を表明した。
不正資金疑惑を巡っては、贈賄などに関与した疑いで検察の捜査を受けていた経済界の大物、成完鍾(ソンワンジョン)氏が4月9日にソウルで首をつって死亡しているのが見つかった。同氏が残した遺書には、大統領側近を含む高官数人の名と、渡したとされる金額が書かれていた。
検察は専従捜査班を組織して捜査を進めており、李首相ほか大統領周辺の7人が捜査の対象になっている。李首相は一貫して関与を否定していた。
朴大統領は疑惑を深刻に受け止めていると述べ、中南米歴訪を前に「腐敗や根深い罪が人の命を奪うこともある」「政治改革の問題としてこれを正さなければならない。汚職や不正に関与した人物は許さない」と強調していた。韓国には27日に帰国する。