イタリア検察、沈没した難民船の船長ら2人逮捕
イタリア・シチリア島カターニア(CNN) 数百人の難民を乗せた船が地中海で沈没した事故で、イタリアの検察は21日、この船の船長など2人を、無謀な航行で船を沈没させ、多数の人を死亡させた疑いなどで逮捕したと発表した。
シチリア島カターニアの検察によると、逮捕されたのはチュニジア出身の27歳の船長と、シリア出身の26歳の船員。2人には不法移民幇助(ほうじょ)の疑いがもたれている。
検察は2人の勾留を請求して弁護人を任命。24日に裁判所で行われる審理では目撃者5人が証言する。
難民船は18日夜、リビア沖約110キロの地中海で沈没した。検察は、船長の航行ミスが原因で救助に駆け付けた貨物船と同船が衝突したとみて調べている。
国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は先に、難民船はこの貨物船が原因で転覆した可能性もあると伝えていた。しかし検察は、貨物船が沈没にかかわったことを示す痕跡はないと判断。貨物船は救助義務を果たし、沈没には一切関与しなかったと断定した。
貨物船を運航するOSMマリタイム・グループも、同船は波が立たないよう非常に低速で難民船に接近したと述べ、救命ボートや浮輪を出して22人を救助したと話している。