イラク最大級のバイジ製油所、8割がISISの手に
ワシントン(CNN) イラク北部バイジにある同国最大級の製油所の大部分が、イスラム過激派「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」に占拠されたことが8日までに分かった。米高官がCNNの取材に答えた。政府側の治安部隊の支配区域は20%に過ぎず、「ほぼ締め出された状態」だという。
治安部隊とISISは過去数カ月にわたり、バイジの製油所をめぐって戦闘を続けてきた。だがISISはこの数日間に製油所の複数の区画への侵入に成功。治安部隊の補給をはばんでいる。
一方、この数日の激戦で治安部隊はかなりの損害をこうむった。
治安部隊は国軍と国家警察、反テロ部隊から構成されている。もし製油所を奪取されれば、「取り戻すための方法を見付けなければならなくなる」と同高官は言う。
米国や有志連合の戦闘機は、製油所周辺のISISの陣地や補給路への空爆を行ってきたが、製油所の内側は標的にしていない。理由の1つは、設備への被害を最小限にとどめることだ。
だがISISが占拠した重要な区域では、空爆を行っても限定的な打撃しか与えられないとこの高官は言う。ISISは戦闘員を小グループに分散させる可能性があり、そうなれば見つけにくくなるからだ。
この製油所は戦略上重要だと考えられている。重要な施設であるだけでなく、モスルへの主要ルート上にあるからだ。治安部隊は数カ月以内に、ISISからモスルを奪還することを目指している。