敬姫氏は13年9月を最後に、公の場に姿を現していない。脳卒中や心臓発作、自殺などの説や、脳腫瘍(しゅよう)の手術を受けてこん睡状態にあるという説がささやかれたが、韓国の情報当局は生存説を主張していた。
張氏は「国家転覆」を図った罪で処刑されたが、同氏に近い地位にあったという元高官は「そのような事実はなかった」と主張する。
元高官によれば、張氏は拘束されてからわずか1週間足らずで有罪となり、処刑された。刑は地下にある秘密の部屋で執行され、現場を目撃したという者はいない。その後、張氏と敬姫氏の元側近ら約30人が機関銃で公開処刑されたという。
これまで数々の粛清や処刑を見てきた元高官の目にも、反抗する者は血のつながった親族であっても排除するという正恩氏の姿勢は衝撃的に映ったようだ。
ただ北朝鮮の内情は依然として秘密のベールに包まれているため、敬姫氏の生死をめぐる事実関係も確認することは難しい。