たる爆弾で市民ら70人以上が死亡か シリア北部
(CNN) シリア北部アレッポに30日、ドラム缶に火薬や金属片を詰めた「たる爆弾」が多数投下され、人権団体などによると少なくとも計70人が死亡した。
英ロンドンに拠点を置く非政府組織(NGO)「シリア人権監視団」と現地の反政府団体「アレッポメディアセンター」によると、イスラム過激派「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」が支配するアレッポ北東部のバーブでは、多くの市民が集まる市場にたる爆弾が投下され、59人が死亡した。
別の地区では女性8人と子ども3人を含む12人の死者が出たとされる。
活動家らが公開したビデオは、北部の住宅地で倒壊した家屋の下から血まみれの子どもたちが救出される場面を伝えている。この地区で少なくとも20人が死亡、数十人が負傷したとの情報もある。
国連のデミストゥラ・シリア担当特使は一連の攻撃を非難する声明を出し、「たる爆弾の使用を止めなければならない。シリア紛争における民間人犠牲者の大多数は、このような無差別爆撃で死亡している」と強調した。
人権団体は、シリア政府軍がこれまでにたる爆弾で数千人の市民を殺害したと主張するが、アサド大統領は一貫してこれを否定している。
シリア人権監視団によると、アレッポ北方のシリア北東部のハサカ県では同日、ISISが車2台に爆弾を仕掛けて政府軍の拠点を攻撃。兵士50人とISIS側のメンバー10人が死亡した。