クルド人野党の集会で爆発2件、死傷者 総選挙前のトルコ
(CNN) トルコの半国営アナトリア通信は5日、南東部ディヤルバクル市で開かれた少数民族クルド人系の野党「国民民主主義党(HDP)」の選挙集会で同日、爆発が2度起き、2人が死亡、100人以上が負傷したと伝えた。
メフディ・エケル農業相が明らかにしたとしている。同市にはクルド人の居住者が多い。今月7日の議会総選挙に備えた集会では、同党のセラハッティン・デミルタシュ党首が最後の演説をする予定だった。
集会現場からのテレビ映像は、爆発後に暗色の煙が立ち上り、参加者がパニック状態で逃げ始める様子などを伝えた。
同党は、事件に与党の公正発展党(AKP)と同党を率いるエルドアン大統領が絡んでいると非難。HDPの議員はCNNの取材に、爆発は同党の勢力伸張を阻止する試みとし、「虐殺の試み」とも糾弾した。
アナトリア通信は当初、爆発は電気系統もしくは技術的な不具合が原因と伝えたが、同国のタネル・ユルドゥズ・エネルギー相はこれを否定した。
HDPは今回の総選挙で初めて、個人の候補者を擁立する形ではなく、政党として臨んでいる。議会に代表を送るには有権者の投票総数のうちの1割を確保しなければならない。
同党の報道担当部門によると、総選挙の選挙戦では南東部アダナにあるHDPの地域支部で先月、爆発があり6人が負傷する騒ぎもあった。