MERS死者4人に、自宅待機も1500人増 韓国
(CNN) 韓国健康福祉省は5日までに、中東呼吸器症候群(MERS)コロナウイルスに感染していた76歳の男性が死亡したと発表した。同国でのMERS感染による死者は4人目。ソウル市は感染拡大を阻止するために新たに約1500人に自宅待機を要請するなど対応に追われている。
健康福祉省によると、死亡した男性はぜんそくや慢性肺疾患の持病があり、先月には病院で3日間治療を受けていたが今月4日に死亡したという。
ソウル市では、MERSに感染した医師が自覚のないまま学会に参加していたことが発覚。市は学会の出席者1565人全員に自宅待機を要請した。同市の朴元淳市長は自宅待機の強制措置も検討していると述べた。
自宅待機の期間は明らかになっていない。米疾病対策センター(CDC)によると、MERSの潜伏期間は平均で6日間だが、最長では2週間にも及ぶ。
同医師は5月前半にMERS患者を診療し、学会には同月後半に出席していた。30日に隔離措置の対象となり、今月1日に感染が確認された。
CDCによると、MERSは感染者との同居や看護など、濃密な接触を通じて感染する。学会に出席しただけで感染する可能性は低いとみられるが、市は今回の要請について「予防的措置だ」と説明する。
ソウル市は同医師が感染後に訪れた学会以外の場所の特定も急いでいる。
世界保健機関(WHO)によると、2012年から今月3日までに世界で確認されたMERS感染者数は1179人。そのうち442人が死亡しており、致死率は約4割に達する。