旧フセイン政権の顔、アジズ元副首相が死去 イラク
バグダッド(CNN) イラクの故フセイン元大統領の側近で、同政権の外交の顔としての役割も担ったタリク・アジズ元副首相が5日、同国南部ナシリヤの病院で心臓発作のため死去した。79歳。複数の当局者が明らかにした。
アジズ元副首相は2010年、フセイン政権崩壊後に行われた裁判で、1980年代に宗教政党の党員殺害に加担したとして死刑判決を言い渡された。ナシリヤ市の刑務所に収監されたが、容体が悪化したため同市内の病院に搬送されていたという。
1981~2003年の間に副首相を務め、一部の期間は外相も兼任した。英語に堪能で、フセイン政権の顔として国際舞台でしばしば同政権を擁護。03年に米国主導の連合軍がイラクに侵攻した際、米軍に配布された重要指名手配犯の顔写真を掲載したトランプでは、「スペードの8」だった。
アジズ元副首相はイラクでは少数派のキリスト教徒。1936年に北部のモスルで生まれた。フセイン元大統領との関係は、共にバース党員として活動した50年代にさかのぼる。79年、フセイン氏が大統領に就任すると共に昇格し、やがて副首相を務めた。スンニ派が大半を占める政権でキリスト教徒として異例の存在だった。