ISIS、イラクとシリアで化学兵器を使用 現地調査団報告
一方、シリア北部ではISISが6月28日にクルド人部隊に対して行った集中砲撃で、意識を失ったり、腰から下に痛みを感じて一時的な局所麻痺(まひ)に見舞われるなどの被害者が出たという。
調査団が調べた弾薬の破片には、9日後もまだ化学物質が残留して強い異臭を放ち、近付くとのどや目の強い不快感に見舞われたという。付近の病院に運ばれた戦闘員数人からは、殺虫剤などに使われる化学物質ホスフィン(PH3)の陽性反応が出た。
また、民家に着弾したロケット弾には、オリーブ色の残留液体が付着していた。ロケット弾は約4キロ離れたISISが制圧する村から発射されたという。この液体も異臭を放ち、目やのどの不快感を生じさせた。
化学兵器禁止機関(OPCW)はCNNの取材に対し、CARが収集した証拠はまだ見ていないとしながらも、「有毒化学物質を武器として使用することは化学兵器の使用に当たり、化学兵器禁止条約で禁止されている」と強調した。