米軍、アルカイダ系組織の指導者殺害 シリアで空爆
ワシントン(CNN) 国際テロ組織アルカイダ系の武装組織でシリアに拠点を置く「コラサン・グループ」のムシン・ファドリ指導者が今月、米軍の空爆で死亡していたことが分かった。
米国防総省が21日に発表したところによると、米軍は8日、シリア北西部サルマダ近郊で車に乗っていたファドリ指導者を空爆で殺害した。
同指導者はクウェート生まれ。シリア入りしたアルカイダ幹部らの武装組織、コラサン・グループを率いていた。米政府が700万ドル(約8億7000万円)の賞金を懸けて行方を追っていた。
国防総省の報道官は「彼の死によって、米国や同盟国を標的としたアルカイダの対外作戦は抑制、阻止されるだろう」と述べた。
シリアでは過激派組織「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」やアルカイダ系の「ヌスラ戦線」が国内でのテロを繰り返す一方、コラサン・グループは欧米への攻撃に重点を置いてきた。
米軍主導の有志連合軍は昨年9月、シリア空爆の第一夜にコラサン・グループの施設を攻撃。その後も同組織の訓練所など複数の施設を空爆している。
ファドリ指導者はかつて、アフガニスタンでアルカイダや反政府武装勢力タリバーンの戦闘に参加していた。2001年9月の米同時多発テロについて、事前に知らされていたアルカイダ指導者の一人だったとされる。02年10月にはクウェートのファイラカ島で起きた米海兵隊員銃撃、イエメン沖で発生した仏タンカー爆破の両事件に関与したとみられる。