国勢調査の役割も、北朝鮮の「選挙」が投票率100%の理由
ソウル(CNN) 北朝鮮でこのほど、地方自治体の人民会議の議員を選ぶ選挙が行われた。
ただし有権者に候補者を選ぶ権利はない。投票用紙には金正恩(キムジョンウン)体制公認の候補者名が記載されていて、有権者はそれを投票箱に入れることで支持を表明する。
脱北者によれば、北朝鮮では17歳以上の有権者全員に投票が義務付けられており、投票に行かなければ反体制派と見なされる。このため北朝鮮メディアが伝える投票率はほぼ100%、候補者の支持率もほぼ100%に達する。
選挙はまた、市民がいるべき場所にいることを確認するための国勢調査の役割も兼ねる。
投票日は休日となるため、市民は祝うことを強要されるという。選挙には幸福な市民が権利を行使して金正恩体制を支持する姿をアピールする狙いもある。
選挙で「選ばれた」議員の任期は4年。政治的権力はほとんどない。英リーズ大学の専門家によれば、議会が招集されることは滅多になく、決定権も与えられていないという。