メキシコで写真家殺害、報道に対する暴力絶えず
(CNN) メキシコで州当局を批判していたフォトジャーナリストの男性が、メキシコ市内の民家で殺害されているのが見つかった。同国では報道機関やジャーナリストを狙った凶悪犯罪が相次ぎ、関係者は不安を募らせている。
死亡したのはルーベン・エスピノーサさん(31)。7月31日に知人の活動家宅で殺害されているのが見つかった。現場からはほかにも女性4人の遺体が発見され、5人とも頭部を銃で撃たれていた。
エスピノーサさんは出身地のベラクルス州で当局に対する抗議デモなどを取材していたことがあり、友人や同僚によると、身の危険を感じてメキシコ市に避難。しかし当局は信頼できないという理由で保護などは求めていなかったという。
6月には何者かに後を付けられ、脅すような素振りを見せられたと話していた。ベラクルス州でも自宅の前にいた男たちが脅すような仕草をして立ち去るのを目撃したことがあるという。
今回の事件について、当局は強盗殺人事件として調べているが、友人や同僚はエスピノーサさんが受けていた脅迫についても捜査するよう求めている。
ベラクルス州では学生がなたで襲われるなどの凶悪事件が相次ぎ、過去5年で13人のジャーナリストが殺害された。学生や人権活動家の殺害や拉致、行方不明などの事件も後を絶たず、2日には同州ポサリカで新聞社が襲撃される事件も起きた。