パリ行き列車内に武装した男、乗客らが取り押さえ 3人負傷
アラス市の広報担当者によれば、負傷者のうち2人は重傷だが命に別条はない。このうち1人は米国人。また、フランスの俳優ジャン・ユーグ・アングラード氏が手に軽傷を負ったとした。
当局者によれば、男はモロッコ国籍。イスラム過激思想を持っているとみて欧州テロ対策当局が動向を注視していたという。別の治安筋はこの男について、フランスの情報機関に知られた存在であり、過激派組織「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」に共感していたようだとしている。ただ、具体的にどの組織に忠誠を誓っていたのかは不明。
当局者によれば、男は多くの弾薬を持っていた。無差別殺傷が食い止められた形であり、公式には発表されていないもののテロ行為の疑いがあるとしている。
ベルギーのミシェル首相は短文投稿サイトのツイッターで「テロ攻撃を非難する」と述べ、被害者への同情を示した。フランスのカズヌーブ内相は、「野蛮な暴力攻撃」として事件を非難し、パリの対テロ検察当局が捜査に着手する見通しだと述べた。海兵隊員の助力に対して「感謝と称賛」を表明している。
米国防総省の報道官はCNNに対し、「報道を把握しており、現時点では米軍の兵士1人が事件で負傷したことのみ確認している。命に別条はない」と述べた上で、引き続き状況を注視する姿勢を示した。