イラン大統領、米国との収監者の相互釈放に言及
(CNN) イランのロハニ大統領は27日、CNNとのインタビューで、米国で収監中のイラン人受刑者が釈放されれば、イラン側も拘束している米国人の釈放に努めると表明した。
イランでは米国人少なくとも3人が拘束され、1人が行方不明となっている。
このうちイランとの二重国籍を持つ米紙ワシントンポストのジェーソン・レザイアン特派員は、スパイ行為などの容疑で1年以上前に拘束され、非公開で裁判にかけられている。
またアミル・ヘクマティ元海兵隊員は2012年1月、スパイ行為などで死刑を言い渡された。
イラン生まれのキリスト教聖職者、サイード・アベディニ氏は12年に拘束され、イラン政権の転覆を図ったとして禁錮8年の判決を受けた。
行方が分からなくなっているのは米連邦捜査局(FBI)の元捜査官でCIA(中央情報局)要員として活動していたロバート・レビンソン氏。07年にイランを訪れたまま消息を絶ったが、同国当局は関与を否定している。
ロハニ大統領はインタビューで、米国が「適切な段階」を踏んでイラン人受刑者を釈放すれば、イラン側も「米国人の迅速な釈放の実現」に全力を挙げる環境が整うと述べた。
大統領はまた、米国では対イラン制裁に違反したとの理由で数人のイラン人が拘束されていると指摘。イランが核問題で欧米などと合意に達して制裁が解除された今、拘束を続ける理由はないはずだと主張した。
今週の国連総会に合わせてニューヨークに滞在しているケリー米国務長官は同日、イランと相互に収監者を釈放する案について質問を受け、「イラン側からは直接何も聞いていない」と述べた。