マレーシア機撃墜、至近距離で弾頭爆発 オランダ当局が報告書
ヤウストラ委員長は、「同機は至近距離で弾頭が爆発したことにより墜落したとの結論については、調査に参加した国の全担当者が一致した」としながらも、「9N314M弾頭が関与したとの結論については、全担当者の承認は得られていない」と説明する。
報告書の付属書には、ミサイルが地上から発射された可能性も、航空機から発射された可能性もあるとするロシアの見解が記載された。
ロシアのタス通信によれば、ブクを製造するロシアのメーカー、アルマス・アンテイは同日、最高経営責任者(CEO)が記者会見してDSBの報告書に疑問を呈し、現在ではウクライナ軍しか使っていないミサイルに装填された古い弾頭が使われたとする説を披露した。
ロシア政府も同日、アルマス・アンテイが出した結論を無視しているとしてDSBを批判。ロシア外務省報道官は、今後も調査を継続して内容を修正すべきだと話している。
DSBの報告書では、乗員乗客が死亡した経緯についても言及した。乗員のうち3人は、弾頭の爆発により破片が貫通して即死したと断定。他の乗客については、そうした破片は見つからなかったとして、「自分たちが置かれた状況をほとんど理解できなかった可能性が大きい」と結論付けている。
DSBによる調査は、責任の所在を明らかにすることは目的としていない。事件としての立件に向けた捜査はオランダの検察当局主導で来年以降まで継続される。