アフガン誤爆、米当局は病院を認識 現場に伝わらず 初期調査
ワシントン(CNN) アフガニスタン北部クンドゥズで国際医療支援団体「国境なき医師団(MSF)」の病院が誤爆された問題で、米当局者2人は16日、初期調査の結果、米国政府は現場が病院だと認識していたことがわかったとCNNに明らかにした。ただ、この情報が軍の適切な担当者の元に届いていなかったという。
当局者の1人は、MSFが「米国側に通知するため全ての正しいことをしていた」と言及。病院の位置情報は制限区域として「軍のデータベースに入っていた」という。病院やモスク(イスラム教礼拝所)、学校などは、反体制派の存在が確認されても米軍パイロットが空爆できない場所とされている。
当局者2人は、調査が継続中であることを理由に匿名を希望。両者とも、調査の進展で結論が変わる可能性があると強調している。
軍の調査担当者は、司令部からパイロットや地上特殊部隊への交信を記録した音声テープなど、入手可能な技術データを全て調査している。
今回の攻撃が米軍の空爆実施の要件を満たしていなかったことから、搭乗員からクンドゥズの当該エリア内の標的への攻撃に懸念が出ていなかったかの調べも進められている。攻撃時の要件を定める「交戦規定」では、米軍の保護や国際テロ組織アルカイダ関連の標的の攻撃、アフガン部隊の大量犠牲の防止を目的に攻撃が許されている。
病院に反政府勢力タリバーンの構成員がいたとの報告もあるが、病院は保護対象のため、攻撃できない決まりとなっている。