世界のテロ犠牲者3万人超、過去最悪に 14年報告書
欧米で起きているのは主に過激派や国粋主義者、白人至上主義者などが単独で引き起こす「一匹オオカミ」型のテロで、2006年以来の死者の70%がそうした犯行による犠牲者だった。
世界の経済損失は過去最高の529億ドル(6兆5300億円)となり、13年比で61%増、2000年に比べると10倍を超す。
テロは難民や避難民を発生させる重大な要因にもなっていると報告書は解説。「テロの影響が大きい11カ国のうち10カ国では、難民や国内避難民の比率も高い。これは現在の難民危機と、テロ、紛争との間に強い相関関係があることを物語っている」と指摘する。
テロを引き起こす2大要因としては、政治的暴力と衝突を挙げた。1989~2014年のテロの92%は、国家の関与する政治的暴力が横行する国で起きていた。
ISISの台頭も著しい。イラクとシリアへは2011年以来、推定100カ国から2万5000~3万人の外国人戦闘員が流入した。この流れが衰える兆しはなく、2015年1~6月だけで7000人以上が流入したと推定している。