パリ郊外の銃撃戦、逮捕者にテロ首謀者おらず 遺体をDNA検査
パリ(CNN) 仏当局が18日、パリ同時多発テロの首謀者の潜伏先と見ていたパリ郊外サンドニのアパートを急襲した件で、逮捕された8人の中に首謀者とされる過激派組織「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」の幹部、アブデルアミド・アバウド容疑者が含まれていないことが19日までにわかった。
1時間にわたる銃撃戦では、自爆した女を含む2人が死亡、8人が逮捕された。アバウド容疑者のほか、手配中のサラ・アブデスラム容疑者も逮捕者の中にいなかったという。
当局は死亡した者の身元を特定するために、がれきの中から遺体を回収、DNA検査を進めている。
検察の18日の発表によれば、当局は当初、このアパートの3階にアバウド容疑者がいるとみていた。だが、突入作戦が始まった午前4時20分の時点で、同容疑者がアパート内にいたかどうかは分かっていない。
CNNの取材では、アパート周辺や近くのモスク(イスラム礼拝所)で最近、アバウド容疑者を見かけたという周辺住民の目撃情報が複数得られている。
当局はアバウド容疑者の親族がアパート内にいる可能性を示す電話の通話を盗聴したことから、今回の作戦を決めた。部屋のドアは頑丈に強化されていたうえ、女が自爆するなど激しい抵抗を受け、銃撃戦は1時間にわたって続いた。当局はアパートの床が崩れ落ちるほど強力な武器も使用した。
検察は、このアパートにいた集団は武器を持っており、別のテロ攻撃の準備をしていたとの見方を示している。