米当局、中南米を訪れた妊婦にジカ熱の検査を勧告
(CNN) ブラジルなどで新生児の小頭症との関係が疑われる感染症のジカ熱が流行している問題で、米疾病対策センター(CDC)は中南米の国に最近渡航した妊婦に対し、ジカ熱の検査を受けるよう勧告した。
対象となるのは、ブラジル、コロンビア、エルサルバドル、仏領ギアナ、グアテマラ、ハイチ、ホンジュラス、マルティニク、メキシコ、パナマ、パラグアイ、スリナム、ベネズエラ、プエルトリコを訪れた妊婦。
ジカ熱は蚊が媒介する感染症で、微熱や発疹、関節の痛みなどの症状を伴う。しかしCDCの推計によれば、感染しても80%は発症しないという。このためCDCでは妊婦に対し、たとえ症状がなくても超音波検査で胎児の小頭症や石灰化の兆候を調べ、異常が見つかった場合は血液検査を受けるよう呼びかけている。
乳児の小頭症は重度の発達障害を伴い、死に至ることもある。
ジカ熱は、ブラジルで激増している新生児の小頭症との因果関係が指摘され、CDCは妊婦に対してジカ熱が流行している国への渡航を見合わせるよう勧告を出していた。
米国で検査ができる設備が整っているのはCDC以外では少数の州にとどまる。検査結果はCDCで確認する方針。結果が出るまでには約1週間かかる。
ジカ熱の治療法は存在せず、蚊に刺されないよう注意するしか予防策はない。妊婦の血液検査でジカ熱の陽性反応が出た場合や、超音波検査で異常が見つかった場合は、子宮に針を刺して羊水を採取する検査を受けるようCDCは勧告している。