ジカ熱の流行、米大陸で拡大の予想 ブラジル五輪に影響も
(CNN) 世界保健機関(WHO)は中南米で猛威を振るっている感染症のジカ熱について、南米、中米、北米で2カ国を除くすべての国に感染が広がるとの見通しを示した。五輪開催国のブラジルは、大会期間中の対応について説明している。
WHO米州地域事務局によると、ジカ熱は2015年5月に初めてブラジルでの国内感染が報告され、これまで米州内の21の国と地域に感染が広がった。
ジカ熱のウイルスを媒介するネッタイシマカはカナダとチリを除く米大陸のすべての国に生息している。過去に米大陸でジカ熱が流行したことはなく、ヒトに免疫がないことから感染が急拡大したとWHOは推定する。
ジカ熱はブラジルなどで急増している新生児の小頭症との関連が指摘され、米疾病対策センター(CDC)は、流行国への妊婦の渡航を自粛するよう呼びかけている。
米国ではイリノイ、フロリダ、テキサスなどの各州で、流行国への渡航歴がある人の感染が確認された。ただ、米国内での国内感染は確認されていない。
ブラジルのリオデジャネイロでは今年、オリンピックとパラリンピックが開催される。大会関係者によると、期間中は会場で毎日検査を実施し、組織委員会が保健省や市の衛生局と定期的に連絡を取って、公衆衛生情報を出す予定だという。
大会が開かれる8月から9月にかけてはブラジルの冬に当たるため、湿度や気温が低くなって蚊の数は大幅に減る見通しだと関係者は指摘している。