「前例のない」北朝鮮制裁、安保理で採決へ
ニューヨーク(CNN) 米国は北朝鮮に対する制裁強化を盛り込んだ国連安全保障理事会の決議案を公表した。北朝鮮による核開発や弾道ミサイル計画を阻止する狙い。決議案は25日午後、安保理の15理事国に配布され、この週末にも採決が行われる見通し。
サマンサ・パワー米国連大使は記者団に対し、決議が採択されれば、国連が科す制裁としてはこの20年あまりで最も厳しい内容になると強調した。
決議案には、北朝鮮を出入りする貨物全品の検査義務付け、北朝鮮に対する小火器など通常兵器の販売禁止、北朝鮮の銀行や資産に対する金融制裁、石炭や鉄、金、チタンおよびレアアースの輸出制限または禁輸、ロケット燃料を含む航空燃料の供給禁止などが盛り込まれた。
パワー大使はこの内容について、「市民に多大な苦しみを生じさせている支配層エリートに照準を絞った」と述べ、北朝鮮の市民に打撃を与えるものではないと強調した。
決議案に詳しい米当局者によると、制裁の対象となるのは北朝鮮の兵器開発にかかわったとされる17人の個人と、航空宇宙機関や大手銀行など12の組織で、一部は海外に拠点を持つ。ぜいたく品の禁輸も強化する。
フランスのフランソワ・デラットル国連大使はこの決議案について、「北朝鮮による無責任な行動の連鎖を断ち切り、北朝鮮を再び交渉のテーブルにつかせる前例のない制裁」と評価している。