シリアで「一時停戦」発効、首都などで静寂
(CNN) 内戦状態にあるシリアの首都ダマスカスで27日午前0時(日本時間同日午前7時)、ロシアと米国が今週初めに共同で発表した2週間の「敵対的行為の停止」が発効した。
国連のデミストゥラ・シリア担当特使はスイスのジュネーブで記者団に対し、初期報告から「南部ダラアとダマスカスの情勢が突如として沈静化した」ことが示唆されていると述べた。
英国に拠点を置く非政府組織「シリア人権監視団」のラミ・アブドルラフマン代表は、シリアの主要各都市は異例の静寂に包まれていると説明。ただ、北部で複数の爆発があるなどいくつか例外もあったと述べた。
デミストゥラ特使は、一夜にして平和が定着するとは誰も予想していないと指摘。何らかの衝突が起こる可能性は高いとし、停戦違反があった場合、「こうした事態が迅速にコントロールされ沈静化されるかどうかが重要なポイントだ」と述べた。
同特使によると、ジュネーブで27日午後、一時停戦が順守されているかを評価する会議が開かれる見通し。
これに先立ち、国連安全保障理事会は26日、停戦を支持する決議を全会一致で承認。敵対的行為を停止する条件にすべての勢力が従うよう促した。
一方、反体制派勢力の代表組織「最高交渉委員会」は26日、97勢力が停戦に従うことに合意したと発表した。ただ、シリア政権とその後ろ盾であるロシアに対し、過激派組織「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」や国際テロ組織アルカイダ系の武装組織「ヌスラ戦線」といったテロ組織を標的にする名目で、反体制派勢力を攻撃しないよう警告した。
ISISとヌスラ戦線については、国連安保理がテロ組織に指定しており、2週間の停戦は適用されない。