「恐怖の歯科医」公判始まる、患者100人以上が被害 フランス
パリ(CNN) 100人以上の患者のあごを骨折させたり口内を化膿させるなどして「恐怖の歯科医」と呼ばれたオランダ国籍の男の公判が8日、フランス中部ヌベールの裁判所で始まった。
ヤコブス・ファンニエロップ被告(51)は患者の健康な歯を抜いたり、傷口を化膿させて炎症や敗血症を引き起こしたりしたとして、傷害や詐欺などの罪で起訴された。有罪になれば禁錮10年、罰金15万ユーロ(約1900万円)を言い渡される可能性がある。
公判を傍聴した元患者の中には、今もファンニエロップ被告の姿を見ただけで不安に駆られるという人もいる。患者だった1人は「口の中に6~7本の注射を打たれ、8本の歯をいっぺんに抜かれた。診察室には3時間もいて、大量に出血した」と振り返った。
別の元患者は「痛かった歯は1本だけだったのに、何度か通ううちに13本になった。あの医者がやっているのは治療ではなく破壊だ。健康だった13本の歯のうち2本が抜かれ、インプラントやかぶせものが必要になった」と憤る。
被害者の弁護士によると、患者たちは、ファンニエロップ被告が長期間にわたってこうした行為を続けた理由や、事態がなぜここまで悪化したのかを知りたがっているという。
元患者の1人は「あの医者にとって私たちは単なるクレジットカードだった。目当ては金儲けだけだった」と言い切った。