州都にタリバーン迫る、軍兵士寝返りも アフガン南部
タリバーンへの寝返り
政府軍の兵士が減っている原因は戦死だけではない。タリバーン側に寝返る兵士たちが続出しているのだ。
CNNはヘルマンド州で2人の脱走兵に取材した。2人ともアフガン政府軍で訓練を受けてから、その成果をタリバーンに持ち込んだケースだ。政府軍兵士への訓練には、米国の国家予算が使われている。
「軍で1年半訓練を受け、国のために戦うと宣誓したが、状況が変わった。軍に失望したのでタリバーンに入ることにした。タリバーンでは客人のような待遇を受けている」と、一方の兵士が話す。
2人は今も政府軍の制服や身分証明書、給料を引き出すのに使う銀行カードまで持っている。
「基地で亡くなったり負傷したりした同僚が放置され、病院へ運んでさえもらえないのを見て、軍を去る決心がついた。軍で受けた訓練はとても役に立っている。今はその知識を使ってタリバーンの戦闘員を訓練している」と、兵士は語る。
記録的な死傷者
アフガン民間人の死者は昨年1年だけで3500人以上、負傷者は7500人を記録した。
ほかの地域からラシュカルガーへ逃れてきた人々の経験談からは、アフガンで日々、人知れず起きている悲劇が垣間見える。