州都にタリバーン迫る、軍兵士寝返りも アフガン南部
「最悪の記憶は、結婚パーティーの会場に迫撃砲が撃ち込まれ、多数の女性や子どもが亡くなった時のこと」と、ある男性が語る。「戦闘が激しくなると警官は去った。私は人けのない場所へ避難しろと言われたが、銃弾やロケット弾が追いかけてきて10人が死んだ。だからここまで逃げてきた」という。
タリバーンに制圧された町から買い物に訪れている男性もいた。この男性の話によると、町の中はタリバーンの支配下に入ってから以前より落ち着き、「かつてはだれもいなかった市場が今はにぎわっている」という。
だが政府当局は、ヘルマンド州での形勢を今後数カ月のうちに逆転したい方針だ。スタネクザイ国防相代行は「問題なのは戦場がどうなっているかではなく、政治的な将来像が国民の信頼を得られるかという点だ。信頼感の醸成に向けて努力する必要がある」「我々はこの国を守らなければならない」と強調した。
新兵を狙った爆弾テロも
そんななか、東部ナンガルハル州の州都ジャララバードでは11日、政府軍の新兵を乗せて首都カブールへ向かっていたバスに爆発物を積んだ三輪オートバイが激突。国防省の報道官によると12人が死亡した。さらに少なくとも38人の負傷者が報告されている。