ロシア、新型潜水艦を積極配備 冷戦後最大の攻勢
ワシントン(CNN) 米軍欧州軍の海軍司令官は16日までに、ロシア軍による弾道ミサイルや攻撃型潜水艦の最近の配備状況に触れ、その量や範囲は過去20年間では見られなかった攻勢を示す規模で進められていると警告した。
イタリア・ナポリにある米海軍第6艦隊司令部でCNNの会見に応じたマーク・ファーガソン司令官(海軍大将)が表明した。積極的な軍拡の背景には、ロシアにとって北大西洋条約機構(NATO)が現存の脅威との痛切な認識があると指摘。
冷戦終結後にNATOが進めた東方進出やNATO軍の軍事能力の国家的な脅威を根本的に受け止めていることへの対応とも分析した。
同司令官は特に、ロシアが数十億米ドル規模を長年費やして開発し、配備している新型潜水艦の脅威に言及。米海軍はこれら潜水艦の追跡や探知が難しくなっているとの現状を認めた。探索網を回避し得るより静かな潜航が可能で、搭載兵器が改善され、より広い範囲での作戦遂行が可能になっているという。
米海軍が保有する潜水艦は現在53隻。今後の退役計画や予算上の制約もあり、この隻数が2020年代後半には41隻に低下するとも述べた。
NATOの欧州連合軍最高司令官も務めたことがあるジェームズ・スタビリディス退役海軍大将はCNNの取材に、米軍は現在、ロシア軍潜水艦の動向を100%把握出来ていないとも指摘。米軍の攻撃型潜水艦は性能面でロシア軍よりまだ勝っているがその差は大きくないとし、ロシア軍潜水艦は米空母がまさに直面する危機になっていると認めた。