「グリーンゾーン」の議事堂に抗議集団乱入 イラク首都
バグダッドのシーア派聖地カドミヤでは2日から3日にかけて巡礼者が集まることが予想され、市内ではもともと警備が強化されていた。
グリーンゾーンでは米軍管轄下に入った2003年以降、砲撃や自爆テロが何度か起きていたものの、大規模なデモ隊が進入したのは初めて。現在、地元の治安部隊やシーア派民兵組織からは多くの要員が過激派組織「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」との戦闘に加わっている。その結果、バグダッド市内の治安態勢が以前と比べて手薄になっている可能性もある。
マスーム大統領はデモ隊に平静を呼び掛ける声明を出した。オベイディ国防相は軍司令官らに対し、混乱に乗じようとするテロリストに警戒するよう指示を出した。
国連イラク支援団(UNAMI)は声明でデモ隊の乱入に「重大な懸念」を表明。平静と自制、憲法体制の尊重を呼び掛けるとともに、政府側にも迅速な対応を求めた。
バグダッド東郊のナフラワンでは30日、混雑した家畜市場で車に仕掛けた爆弾が爆発し、警察によると少なくとも24人が死亡、38人が負傷した。ISIS系のアマク通信は、ISISが「シーア派を狙った攻撃で約100人を死傷させた」との犯行声明を伝えている。